ひな祭りは、女の子の健やかな成長を願う節句の行事です。
ひな祭りにはひな人形を飾るのですが、その意味は、将来に幸せな結婚ができるように願いを込めて飾られるのはご存知ですか?
つまり、ひな人形は結婚式の場面を表現したものなんですよ。
だから、ひな祭りの人形には名前があり、意味もあるのです。
この記事では、ひな祭りの人形にはそれぞれの名前と意味があることについてや、そもそもひな人形は誰が買うものなのかについてご紹介します。
ひな祭りの人形にはすべて名前がついている!
正式なひな人形は、七段飾りと言われるもので、十五人飾りとも言われており、豪華で華やかなものになっています。
古来から、七は縁起の良い数字とされているので、七段で構成されているそうです。
そして、上から5段に人形が15体飾られ、下2段にはいろんなお道具が飾られていますよね。
おおまかに分類すると、
- 一段目・・・親王
- 二段目・・・三人官女
- 三段目・・・五人囃子
- 四段目・・・随臣
- 五段目・・・仕丁
という構成になっています。
それでは、ひな祭りの人形には名前がついているので、名前と役割をご説明します。
親王
七段飾りの一番上を飾るのは、内裏びなで、男雛(おびな)と女雛(めびな)と呼ばれています。
男雛と女雛は天皇と皇后を表していて、お二人の結婚式を模しています。
天皇と皇后は夫婦の理想像であり、良縁に巡り会えるようにとの祈りが込められています。
ちなみに、「ひなまつり」の歌の歌詞で、「お内裏さまとおひなさま、二人並んですまし顔~♪」と歌いますよね。
その歌詞から、「お内裏様=男、おひなさま=女」という認識になっていましたが、お内裏さまは男雛・女雛を指しますので、違うんですね・・・。
ひな祭りにひな人形を飾りたいけど、マンションなので、飾るスペースがない場合は、お内裏様だけを飾るというご家庭も多いです。
三人官女
二段目は、三人官女(さんにんかんじょ)と呼ばれ、お内裏様に仕えてお世話する侍女です。
宮仕えするわけなので、誰もができることではありません。
だから、お行儀や和歌・漢文のたしなみがあり、教養がある女性たちなんですね。
左右の女性が持つ「銚子」は今でも結婚式の三々九度で使用されています。
五人囃子
三段目は、五人囃子(ごにんばやし)と呼ばれる子供たちで、選りすぐりの美少年や秀才達が集まって
楽器・謡などの腕前を披露している姿です。
元気な子に育つようにと応援する音楽隊の役割をしています。
随臣
四段目は、随臣(ずいじん)と呼び、右大臣と左大臣に分かれています。
悪者が近寄らないように守ってくれるボディーガードのような役割です。
右大臣と左大臣をよく見てみると、明らかに年齢が違う二人なんですよ。
これは、右大臣が若者で、左大臣の方が位が高いので、老人となっているんです。
服の色も、右大臣が赤で、左大臣が黒で、これも位によって色が違っていたんですねー。
仕丁
五段目は、仕丁(じちょう)といい、お内裏様のお供をしたり、庭掃除などの御所の雑用をする従者です。
3人をよく見ると、泣き上戸・笑い上戸・怒り上戸になっていて、表情豊かな子供に育つようにという願いが込められています。
ひな祭りの人形を飾る意味は、将来の幸せな結婚を願っている!
ひな祭りに人形を飾る意味は、冒頭にちらっと言った通り、将来に幸せな結婚ができるように願いを込められているから。
また、お内裏様は天皇・皇后を表し、ひな人形は天皇皇后の結婚式を模したものであるとされています。
そして、ひな祭りの人形15人には役割と意味があって、
- 教養がある女性になるように
- 元気な子に育つように
- 悪者から守ってくれる
- 表情豊かな子に育つように
という意味も込められています。
ひな人形の飾り台の下に敷いている赤い布は緋毛せんで、緋色は魔除けの色で、子供が健やかに育つようにという願いがあります。
ひな人形は、大切に育ててきた女のお子さんが、これからも健やかに育つように、
大きくなって結婚したら幸せに暮らしてほしいという願いを込めたものだったのですね。
ひな祭りの人形はそもそも誰が買うもの?
ひな祭りの人形はそもそも誰が買うものなのか、迷われた方がいると思います。
ひな人形って安いものではないですし、おじいちゃんおばあちゃが買うものってイメージも強いですよね。
今までご紹介した話をたどってみると、子供の幸せを願うものだから、親である自分達が買うものでは?
と思ったんですが、実際どうなのか調べてみました。
ひな人形は女親の実家が用意するもの!
一般的には、ひな人形は女親の実家が用意するものであるそうです。
その理由には、
- ひな人形は花嫁道具である
- 女親の両親が子供と孫に会うための口実
のように言われています。
昔の日本では、結婚する際に結納をするのが普通で、今ではあまり結納をするカップルも少なくなっているといいます。
昔は、嫁ぎ先の親が結納金を負担し、嫁入り道具は嫁ぐ側が用意するものとされていました。
その嫁入り道具の中に、お宮参りの晴れ着や破魔矢、鯉のぼりや旗などの子供の成長を祈るほとんどが入っており、女親の親が用意するものとされていました。
そして、昔は結婚するとお婿さんの家庭に入るのが一般的で、嫁側の両親は嫁入りした娘に会いたくてもなかなか会うことはできません。
自分の娘や孫が、毎日を健康に過ごしているか気になるものですよね。
そこで、孫や娘に会う口実として、お祝いのたびにお祝いの品を持参して孫に会いに行っていたという話しがあります。
現代では、女親の両親が孫に会うことが昔ほど難しいこともないですし、必ず女親の両親が買わないといけない事もありません。
子供の両親がほしいものもあるかもしれませんので、ご家族で話し合って納得のいくように決めるといいでしょう。
ひな人形といえば、久月が有名!コンパクトなケースに入ったひな人形だと飾りやすいですね♪
ひな祭りは平安時代の「ひいな遊び」が起源
ひな祭りにひな人形を飾るようになったのは、いろんな由来があります。
ひとつには、平安時代に貴族の女性の間で遊んでいた「ひいな遊び」が由来という説。
「ひいな遊び」は紙で作った人形でままごとのように遊んでいました。
やがて、ひいな遊びで使われていた紙の人形をひとがたとして、それに災いや厄を移して川に流すようになりました。
これが、流し雛という風習になり、そこから人形を家に飾るという風習に変わっていったそうです。
もうひとつには、人形流しに使う人形は和紙や藁を使った簡単なものだったのが、次第に高級化していき、今のひな人形の形になりました。
そんなひな人形は川には流せないので、家に飾るようになったという説もあります。
1629年には、京都御所で天皇が娘のために、盛大な祭りを開催しました。
これが、日本で最初のひな祭りと言われていて、ひな祭りの風習が定着していきました。
ひな祭りの人形は役目を終えても大切にしよう -まとめ-
ひな祭りの人形は天皇皇后の結婚式を表していて、将来幸せな結婚ができますようにと子供の幸せを願う思いが込められたものです。
ひな人形は、お内裏様を含めて15人いますが、それぞれに名前があり、その意味や役割も決まっています。
お内裏様を除く13人は、お内裏様に仕える人たちであり、子供が健康に、表情豊かに、災難に遭わない様にという願いがこもっています。
そんな、ひな人形はそもそも誰が買うものなのかというと、一般的には女親の両親が買うものとされています。
女親の両親がひな人形を買うことについては、昔からの風習が根強く残っているようですが、現代では必ずしもそうでないといけないことはありません。
女親の両親だけでなく、男親の両親も関係してくる話なので、ご家族でよく相談されてから決めるといいでしょう。
ちなみに、ひな人形は子供の幸せな結婚を願うものなので、結婚をした時点でひな人形の役目は終了、ということになります。
だからといって、用なしで処分するのではなく、結婚して子供が生まれたら、その子供の為の新しいひな人形と一緒に飾ることをしたり、
ひな人形は実家に戻して、実家で飾ったりして、末永く大切にすることをおすすめします。
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